あるオーナーが自分の乗っている高級車を、行きつけの修理工場に持ち込みました。
そのオーナーは、この修理工場にとってとても大事なお客さんなので、工場長が
対応しました。
工場長 「どうしたのですか?オーナー自ら来るなんて」
オーナー「いや~最近この車のパワーが落ちているように思うので、修理箇所がないか見て欲しいのだよ」
工場長 「わかりました。部品の一つ一つからしっかり調べて見ますので安心してください!」
工場長はスタッフを集め調べるように指示をしました。だが、悪い所が見つかりませんでした。そこで、経験豊富なマリアーノ爺さんに見てもらう事にしました。マリアーノ爺さんは車に乗ってひと走りした後に、工場長に「原因が分かったので車のオーナーを呼んでください」と言いました。
工場長は喜んで、上得意の車のオーナーを呼びよい知らせを伝える事にしました。マリアーノ爺さんは全く飾りっ気のない人で、そのオーナーに言いました。
「車は元気だ。欠陥があるのはドライバーだ」
それを聞いて、工場長と車のオーナーは目が飛び出るほど驚き、そして怒りだしましたが、マリアーノ爺さんは平然とした顔で言いました。
「いや、勘違いしないでくれ。ドライバーを変えろと言っているのではない。ドライバーは運転の仕方を変えた方が良いという意味なんだ。あなたはとても良い車を持っている。それを生かせるかどうかはあなたの腕次第さ」
人はとかく、自分を反省することなく他人のせいにしてしまうものです。
何かを変えたいのなら、まずは自分自身を変えることから始めるべきだという”たとえ”です。
「今日、頂上に登るために役立ったことが、明日は真っ逆さまに転落する原因になることもある」ということわざもあります。
過去の成功事例にしがみついていては、新しい波には乗れません。
by IWA