豊臣秀吉はある”風の強い冬の夜”に天守閣に家老を集めて「今夜は風が強い。火事に気をつけろ」と指示をした。それを受けて家老たちは、町奉行を集め同じく、「今夜は風が強 い。火事に気をつけろ」と繰り返した。奉行たちも足軽を集めて「今夜は風が強い。火事に気をつけろ」とそっくりそのまま伝えた。
ところが、結局その夜に火事は起こってしまった。 これが昔から伝えられる教訓の逸話「大阪城の火事」の一説です。
この逸話は、組織としての、各人の役割が出来ているか否かの話です。
秀吉から「火事に気をつけろ」という指示を聞いて家老は「今夜は風が強いか ら奉行たちは自宅へ帰らず城に詰めよ」と換言し、また奉行たちは、足軽一人一人に対して「夜回りの回数を増やせ」とか「普段以上に手元に多くの水桶を備えよ」といった具体的な指示を出しておかなければならなかった…という事です。
現在の企業でも同様のことが起こっていないでしょうか?
この逸話で言いたい事は「”言う” と ”伝える” は違う」という事です。
何事も相手に伝わっていなければ意味がありませんよね。
現場においては、第一線に近くなるほど、指示はより具体的になることが求められます。社長はビジョンを語ればよいが、各セクションで、なおかつ下に降りるほど「何を・どのように・どれくらい・いつまでに」という具体性が問われてきます。
トップが合図すれば、スタッフは自然と笛や太鼓で踊りだす職場…
一方「笛吹けど踊らず」の職場…
「あの人に言ったはずなのに…」という言葉を口にしていらっしゃいませんか?
それこそ「大阪城の火事」の逸話になってしまいますよ。
今一度、日頃のコミュニケーション 気をつけてみましょうか。
by IWA